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星歌

 

 星歌とは、結晶エネルギーの特殊な使用区分の一つであり、地上に存在したエネルギーの代用とは異なる、結晶エネルギーにのみ発現可能である現象を指す。星歌の発現には、その星歌に対応する星歌回路を形成するスターダストと、個人を認識するための詠唱、そして発現させようとしている現象への理解が前提として必要となる。エリクスをコンピュータになぞらえるならば、エリクスはハード・ウェア、星歌回路の形成はソフト・ウェアのインストール、詠唱はソフト・ウェアの起動及びにユーザー認証であり、現象への理解はソフト・ウェアの取り扱いと言い換えられる。各ソフト・ウェアの取り扱いに難易の差があるのと同じく、星歌の再現も一律にその何度を示すことはできない。詠唱さえなされれば発現が可能な星歌から、対象の状態、周囲の環境、時や空間の把握が正しくなされてなければ発現に失敗し、予期しえない事態を引き起こす星歌も存在するため、複雑な現象を発現させたいのであれば、その分野に精通していることが第一の条件となる。

 コンピュータ操作との大きな違いは、知識があれども発現できない可能性が星歌にはあるということである。形成された回路を通じ、詠唱者はエリクスにアクセスするが、その際、詠唱者は短い時間の中でいくつもの針穴に糸を通すような集中力を要求される。そのため、いくら星歌への理解があれども、訓練なしには発現は不可能となる。また、星歌はエリクスが詠唱者の脳及びに精神との関わりを持つことで初めて発現するものであり、星歌を用いる自動機を製造する試みはなされているものの成果は得られていない。

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